1.赤サビについて考えてみる
酸化とは電子を失う反応で物質に酸素が化合するまたは水素が奪われる事です。鉄の構造は、(Fe)の電子と自由電子(e)からできており、乾燥した大気中では電気的に安定しているのでサビません。 しかし、鉄表面に水分が付着すると自由電子(e)は水や酸素と反応しマイナスになります。一方、鉄(Fe)の電子はプラスとなり、この反応が何度も行われ、鉄(Fe)は酸化鉄として赤サビ(Fe2O3)が生じます。
2.サビは界面で発生する
界面とは鉄素地と水分の接する面で化学反応を起こす部位です。界面の水分や空気が無くなれば、化学反応は止まりますからサビの発生や進行はしませんし、寒冷地や空気の薄い所では、酸化反応は鈍くなるのでサビ発生も遅くなります。 まれに黒サビが発生した報告もありますが、黒サビは簡単に形成しないので油脂等の付着によるカビか、他の影響で黒く変色したのかも知れません。
上記を踏まえた開発と評価
株式会社くろがねと栃木県鉄構工業会は、上記赤サビの発生メカニズムを化学的に無理なく短時間に行うサビ発生促進剤として、「サビの素A(エース)」を開発しました。
なお、性能試験は宇都宮大学の増田浩志先生に依頼し、以下の評価を頂きました。